Monthly Archives: 1月 2004
今、書店に並んでいる「歴史街道」2月号 近藤勇と新撰組、
読みました。
ここのみなさんもお読みになった方も多いと思います。ちょっとメモ書きみたいに打ち出してみました。
最後まで人を惹きつけた不思議な魅力 岳 真也
「池田屋事変」のおりのこと、共に戦っていた永倉新八や
藤堂平助らが負傷し、沖田総司が持病で倒れても、なお、一人
気を吐いて戦闘を続行した。灯火は全て消され、互いに手探り
の斬り合いである。この時、戸外にいた谷三十郎が「近藤先生
のものすごい気合が聞こえた」と述懐している。そうした気概、
戦う姿勢は、彼に従う者にとっては、良い手本となる。これこ
そは、近藤勇がトップになり得た第一の要件といえる。しかし、
近藤勇は蛮勇の人ではなかった。武辺一途ではなく、頭も冴え、
冷静さも兼ね備えていた。まだ勇らが江戸にいた頃、経営難で妻のツネが「生計も成り立たぬ
のに、何故食客をおいたりするのか」と恨み言を言うと「粥をすすって
でも、おのれの元に頼ってきた者を見捨てることはできぬ」と
きっぱり言い切っている。食客とは、いつの間にか道場に住み着いてしまった永倉新八や
原田左之助、山南敬介らのことだが、この話にみられる勇の「侠気」が
彼らが勇と行動を共にした大きな理由の一つだろう。土方などとは
違い、美男とはいえぬ顔立ちながら、勇が京の妓たちにもてはやされ
深雪太夫をはじめ、幾人もの愛妾を得たのにも、そういう彼の「心
やさしさ」が絡んでいたような気がする。続く