みちこの幕末日記

   世に生を得るは事を成すにあり。

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Monthly Archives: 11月 2004

今朝はそれほど寒くもなく、ほどほどの気候ですね。

さて、随分前に読んだ、子母澤寛の「ふところ手帖」を読んでいました。
勝海舟・榎本武揚・山内容堂から座頭市まで、その実像を丹念に追及し
独自の語り口で書かれているので、お隣のおじさんが話しているようで
とても親しみやすい本です。

この中で一番印象に残った箇所、江戸一とも言われた伊庭八郎が、箱根
で名もない小田原藩士に左腕を斬りおとされます。どうして、これ程
高名の剣士を名もない侍が斬れたかと言うと、小田原藩には昔から、
下級の侍たちだけがやっている奇怪な剣法がある。要するに、何でも
いいから勝てばいい式のもので、その侍はこれを会得していたからだ
という。ところが、これは間違いで、子母澤寛の元に、斬った者は
鳥取藩の名もない侍だという手紙が届いた。鳥取には、あの斬り
落とされた伊庭の腕がピクピク動いていたのを見たという人が何人も
いたという。一生懸命、一つの技ばかり練習していると、意外な
功を奏したものらしいとのことだ。と締めくくって、結論は書かれて
いませんでしたが、馬鹿の一つ覚え、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる
ということわざが頭を過ぎりました。
後、座頭市って実在の人物だったんですね。

では、また。