京都の友達が、司馬遼太郎の「古往今来」を送ってくれたので
再読しています。昔に一度読んだのですが、完全に忘れていました。
というより、その当時は目次に書かれている表題の地名も人物も
知らないことが多かったので、記憶に残らなかったのでしょう。
その中の倉敷・生きている民芸に書かれている司馬さんの常宿である
「旅館くらしき」まで、自宅から徒歩10分ほどに住むようになって数年が
経ちます。
文中には、この旅館の女将さんとの若い頃の思い出話が書かれていました。
一昨年あたりまで、唇に鮮やかな赤の口紅を引き往年の美貌を彷彿とさせる
銀髪の小柄な彼女と幾度となくすれ違い、颯爽と歩いておられたのを
思い出します。
その方ともぴったりとお会いできなくなって、どうされたのかと心配して
いましたら、新聞紙上で相続者がいず、こちらでは大手の建築会社に譲渡された
とのこと、それも今の現状を維持していくという約束で。
今は老朽化のため、補強工事で閉めておられますが、あのヨーヨーマも
演奏した喫茶の方は開いています。
http://www.ryokan-kurashiki.jp/
そして、「はしまや」も文中に出ていました。昨年、倉敷の屏風祭りという
美観地区の家々に代々伝わる屏風を玄関先に展示するお祭りで、
普段では行かない少し遠方の展示会場まで足を伸ばした時、この
はしまやさんの展示を見て後ろを振り返ると、若かりし頃の司馬さんが
笑いかけていました。この「古往今来」の書かれたまさに、その場面で
ここのご子息によって写された貴重な一枚が飾られていました。
http://www.hashimaya.com/
本を読んでいて、まさに自分が経験したことが書かれてあるほど
感激するものはありません。みなさんも、倉敷に来られたら、是非、
旅館くらしきとはしまやさんの司馬さんに会いに来て下さいね。
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