みちこの幕末日記

   世に生を得るは事を成すにあり。

月別アーカイブ

Monthly Archives: 8月 2006

ここ数ヶ月の新刊案内&感想です。

「幕府歩兵隊」 幕末を駆け抜けた兵士集団  野口武彦・著 中公新書

  印象に残った箇所、
  外国奉行・軍艦奉行・若年寄を経た永井尚志(なおむね)三島由紀夫の
  曽祖父だったんですね。

  用心深い西郷隆盛は明治天皇を女装させて、山陰地方に逃れる。
  替え玉を輿に乗せ比叡山に移す。
  そこまで、西郷さんは考えていた、、。

「最後の幕閣」  講談社+アルファ新書 徳川宗英・著 876円
  徳川家に伝わる47人の真実、徳川御三家の一つ田安徳川家に
  生まれた著者による、阿部正弘から渋沢栄一までの人物記。

  格別、目新しいことは書かれていない。徳川家の出なので、著名人
  との接触が多く、その点、末裔の打ち明け話など気を引く箇所は
  多少あった程度。

「幕臣たちと技術立国」  集英社新書  佐々木譲・著 714円
  江川英龍・中島三郎助・榎本武揚が追った夢。
  榎本武揚、政治的に生き延びたこととは違う。
  彼の生涯には一点の変節もない。彼は自分の生涯をただ日本の
  近代化のためのみ使い切ったのである。
  
「日本史の一級史料」 光文社新書  山本博文・著  700円
  現在、我々が知りうる歴史は、史料から復元されたものである。
  残された史料をもとに、歴史家たちによって紡ぎ出されたもの。
  固定された正しい歴史などはどこにも存在しない。
  新しい史料と新しい解釈によって、書き換えられ、更新されて
  いくべきもの。本書では、歴史家がどのように史料を読み、
  描き出していくのか探っていきます。そのうえで、教科書や
  歴史書の記述を鵜呑みにしない、自分なりの「歴史感覚」の
  身の付け方を学んでいきます。
  今でも、新史料は出てきて売買されているとのこと。

「新装版 戦雲の夢」 司馬遼太郎  講談社文庫  733円+税
  悲運の武将・長曾我部盛親の数奇な生涯。

     新書など、興味を引く新刊が続々出ています。
              続く、、

今朝、飛び上がらんばかりにびっくりしました。

吉村昭さん亡くなられたのですね。
あっ、惜しい、もっと長生きして書いて欲しかった!!!

謙虚に史実と向き合い、勝手な解釈を持ち込まず、ただ淡々と
流れるように描き込み、主人公を生き生きと蘇らせてくれる、、
たくさんの感動を与えて頂いて、ありがとうございました。

心からご逝去をお悔やみ申し上げます。

一番好きだったのは「天狗争乱」かな。
みなさんのお気に入りは、なんでしたか。