Monthly Archives: 3月 2008
春めいてきました、いかがお過ごしでしょうか。
さて、最近、読んだ本のご紹介です。
「旗本夫人が見た江戸のたそがれ 井関隆子のエスプリ日記」 730円+税
当時、ゲテモノの見世物が多かったのですね。トラ一匹でも、相当、
人が寄ってきたことでしょう。江戸時代には、好奇心旺盛な民が多かった。
幕末江戸を訪れたアメリカ人が、その好奇心旺盛な輝く目を持つ多くの
日本人を見て、百年も経てばこの国は我々の文化を凌駕するかもしれないと
書き残しています。百年どころか、七十年で「戦艦大和」を作り上げましたね。
絵もお上手な旗本夫人、生活ぶりの紹介、貴重な一冊でした。
「敗者たちの幕末維新 」(PHP文庫 た 17-11) [文庫] 514円+税
特に、天璋院の項目が新鮮で印象に残りました。
天璋院と慶喜の、朝廷との和平工作のやり取りが圧巻です。
女性は陰に隠れて、取り上げてくれる作家はなかなか居ませんが、天璋院が
出ていたのは嬉しいことです。
江戸開城、交渉を天璋院が推した勝海舟が起用されることになったとあります。
天璋院は人の性格をしっかり見抜いていたのです。
「浅田次郎新選組読本 」(文春文庫 ) 648円+税
輪違屋がお茶屋を始めたのは新撰組が京都にいた五年後、ですから新撰組は
ここでは遊んでいなかったのです。では、何故、輪違屋に近藤勇の直筆の書が
残っているのかというと輪違屋の太夫が角屋に行って書いてもらったと
いうこと、初めて知りました。
八木邸、新撰組が残した手紙をみんな襖の下張りに使ってしまった。
新撰組が二年居て出て行くときに五両置いていった、その5両で酒樽を買い、
西本願寺の屯所に届けて、しみじみスッとしたと言ったとのこと。
今も、新撰組が使っていたおわんやお膳なども残っているそうです。
私が八木邸を訪れた時、今の御当主から、五両しか置いていかなかったことは
直接お聞きしましたが、その後、その五両がどう化けたかまでは聞けませんで
した。この本を読んでよかった!
「30のエピソードですっきりわかる「幕末維新」」 PHP文庫 571円+税
すっきり手軽に説明してあります。
歴史に「もし」は禁物です。もし万が一[江戸城」攻防戦が実施されて
いたなら・・、一連の北の戦は、なかったでしょう。
いやいや、藤田 東湖が安政の大地震で亡くならなければ、安政の大獄、天狗
騒乱は、なかったでしょう、と、欲深なことを考えてしまいました。
そして、「エピローグ」、龍馬と西郷どんがあの世で出会います。
彼らだったら、そう言っただろうなと思う会話でしたから、笑ってしまいまし
た。このエピローグだけでも読む価値あり!!
「最後の大奥天璋院篤姫と和宮」 (幻冬舎新書 ) 720円+税 鈴木由紀子著
篤姫って三度目の奥方だったのですね。17歳、斉彬の問いかけに打てば響くよ
うな受け答え、それでいて、かもし出す雰囲気が暖かく、周りに居るものを
くつろがせる。一目見て、斉彬は気に入ったものと思われる。
のちに、斉彬は篤姫についてたずねる慶永に「忍耐力があり、懐も深く
温和で人に接するのが実にうまい」と語っている。
机上にいつも置かれている三冊の本があります。
私の愛蔵本ですね。
星亮一先生の「会津藩はなぜ朝敵か」 KKベストセラーズ 680円+税
「会津藩VS長州藩」KKベストセラーズ 780+税
星先生の本は前書きから引き込まれます。分かりやすく丁寧な文体、
写真入りで、切り口が鮮やか、どのページを開いても、
登場人物が目の前に立ち上がってくるような場面展開。
そして、
「白河・会津のみち 赤坂散歩」 街道をゆく 33 朝日新聞社 580+税 司馬遼太郎
容保記の中、、、容保公亡き後、肌身離さず胸に垂らしていた竹筒入りの孝明天
皇の書簡二通、東京銀行の金庫の中に納められているという、、、目頭が熱くな
った一行です。街道をゆくのシリーズの中で格別思い入れの一冊。