みちこの幕末日記

   世に生を得るは事を成すにあり。

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「最後の幕臣 小栗上野介」 星亮一・著 ちくま文庫 740円+税

 幕末の徳川幕府を支えた男の悲劇

勘定奉行・外国奉行を歴任した小栗、諸外国との交流を進めるなど、
先を読めた幕臣の一人だった。小栗の能力は、資金調達、洋式軍隊の整備、株式会社兵庫商社の設立、横須賀製鉄所の建設など、多彩だ。
幕府瓦解後の無残な小栗の斬首は、薩長のあまりにも惨い行為の一つ。
近代になり評価され、司馬遼太郎は「明治の父」と記している。
心惹かれる星先生の最新刊です。

「万延元年 咸臨 航米」 星亮一・著 教育書籍

小栗、勝海舟、福沢諭吉、ジョン万次郎らが織り成す米使節団航海記、
やっと入手できた星先生の一冊、咸臨丸の4ヶ月、面白そうです。

 

「徳川300年、ホントの内幕話」 徳川宗英・著 だいわ文庫 648円+税

NHK大河ドラマ「篤姫」が100倍面白くなる本! と題されている
通り、篤姫中心の面白い話がぎっしり。勝海舟、妻とは不仲で
咸臨丸で渡米の時、「ちょっと品川まで行って来る」と言い捨て
出てしまったとか。それはないと溝は深まったという。

「史実を歩く」 吉村昭・著 文春文庫 533円+税

桜田門外の変、現場事件から逃げて来た彦根藩士が、刀を捨て、雪の降る
多摩川を越えて寺の前で倒れていたという。住職が助けて事情を聞くと
もしも藩邸に戻れば、なぜ死ぬまで藩主を守って闘わなかったのかとなじられ、
必ず切腹を命じられる。それが恐ろしくてここまで逃げて来たと言った。
さらに男は、一生この寺に置いてくれと懇願したので、住職は承諾し、
男は頭を丸めて寺男となり、生涯を終えた。墓は寺にあるという。吉村昭は、
直接出かけ、探し出しておられる。「史実を歩く」正しく、史実を歩いてこられたのだ。
その他、生麦事件の調査、創作雑話などの裏話、興味が惹かれます。

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