みちこの幕末日記

   世に生を得るは事を成すにあり。

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  五條市西吉野町賀名生(あのう)の重要文化財「堀家住宅」から10年前に盗まれ、行方が分からなくなっていた天誅組の史料が見つかり、奈良市登大路町の県立美術館で開催中の「天誅組150年記念展」で24日から一般公開されている。史料が持ち込まれた大阪市内の古書店から7月末に無償で返還された。天誅組隊士の名が書かれた芳名帳「来賓性名録」など3点で、いずれも天誅組の変の様子を伝える貴重な史料だ。展示は31日まで。

堀家住宅は南北朝時代に後醍醐、後村上、後亀山各天皇の行宮(あんぐう=仮御所)となった南朝の賀名生皇居跡。明治維新の魁(さきがけ)となった文久3(1863)年の天誅組の変では、五條から天ノ川辻に向う途中に隊士たちが訪れ、手厚いもてなしを受けたという。今回公開された「来賓性名録」は同家に伝わる来訪者の芳名帳で、河内勢の水郡(にごり)長雄(善之祐)や坂本龍馬とも関係が深い土佐脱藩士の池内蔵太ら隊士10数人が記帳。同家に伝わる南朝ゆかりの品を見て感動したことも書かれている。また、高取城下への夜襲に失敗した総裁の吉村寅太郎一行に対し、「一刻も早く天ノ川辻の本隊に来るように」と指示した8月28日付の手紙も展示する。

堀家住宅では平成15年1月、後醍醐天皇から賜った「日の丸」など約80点が盗難に遭った。日の丸など一部は2年後に戻ったが、多くは売却されて行方不明だった。ところが、昨年5月に大阪市内の古書店に持ち込まれ、大阪城天守閣(同市)の北川央さんが鑑定。北川さんは水郡長雄の子孫の親戚筋だったことから、盗まれた史料であることを見抜いた。 堀家の当主、堀元夫さん(73)は「最初話を聞いたときは奇跡だと思った。返還頂いた古書店に感謝したい」と10年ぶりの再会に感動。「天誅組の研究に役立ててほしい」と、「維新の魁・天誅組」保存伝来・顕彰推進協議会(五條市)に寄贈した。同協議会の田中修司会長は「150年の節目の年に発見されたことは、天誅組の隊士の導きかもしれない。少しでも早く、多くの人に見てもらおうと公開を決めた」としている。2013年8月26日 奈良新聞

天誅組150年記念展の開場時間は午前9時から午後5時。月曜日休館。入場無料。

画像は、10年ぶりの返還された堀家住宅に伝わる天誅組の史料=24日、奈良市登大路町の県立美術館

 

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