みちこの幕末日記

   世に生を得るは事を成すにあり。

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幕末の思想家、吉田松陰(1830~59年)の辞世の句が見つかったと、井伊美術館(京都市東山区)が23日、発表した。家族宛ての辞世の句と同じ文言で、専門家は「松陰が同じ句を複数人に宛てて書いたと考えられる」としている。

松陰は大老、井伊直弼(1815~60年)による「安政の大獄」で江戸に送られ、処刑された。筆まめで、獄中でも家族や弟子宛てに手紙などを書いていたことで知られる。

辞世の句は縦27・5センチ、横19・5センチの和紙に「此(これ)程(ほど)に思(おもい)定(さだ)めし出(いで)立(たち)はけふきく古(こ)曽(そ)嬉(うれ)しかりける(中略)矩之」(死を覚悟しており、今日やっとその日が来てうれしいという意)と記されていた。直弼の家臣で国学者、長野主膳の手紙の巻物に貼り付けられていたという。

同美術館の井伊達夫館長が昨年末、古美術品のオークションで巻物を見つけて購入し、複数の専門家に鑑定を依頼。鑑定にあたった佛教大歴史学部の青山忠正教授(日本近代史)によると、山口県に残された家族宛ての同じ文言の句にも「矩之」と記されていた。

松陰が自身の実名「矩方(のりかた)」を誤記したという説もあったが、今回の句にも「矩之」と書かれており、青山教授は「処刑を前に、実名を汚したくないと改名したのかもしれない」と指摘している。2014.1.23

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