みちこの幕末日記

   世に生を得るは事を成すにあり。

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孤児院運営費募金のため協力依頼

日本初の孤児院を岡山市に開いた石井十次(1865~1914年)の直筆書簡1通が、岡山市東区の大宮小で見つかった。孤児院の運営費を集めるために協力を依頼する内容で、児童福祉への熱い思いがうかがえる。宮崎県の「石井十次資料館」などによると、幅広い人脈を築いた十次は各方面に書簡を送っていたが、残っているのは数少ないという。

一方、書簡が見つかったのは3月31日で、県内初の義務教育学校「山南学園」編入に伴う大宮小の閉校日だった。書簡を保管する地元住民グループ・石井十次に学ぶ会は「小学校最後の日に見つかったことは、児童福祉への意志を私たちに継いでほしいと願う十次からの贈り物のように感じる」としている。

書簡は十次に協力的だった人物に宛てたとみられ、便箋2枚に「孤児院の運営費募金のため慈善音楽会を開くので、協力していただけないか」との内容を力強い筆遣いで記している。閉校を前にした大宮小校長室を片付け中、額に納められた状態で出てきたという。

学ぶ会によると、大宮学区は、宮崎から岡山に移り住んだ十次が最初に孤児を受け入れた診療所があったとのゆかりがある。8月13日の日付もあり、当時の状況から1908(明治41)年のものと推測されるという。十次のひ孫で石井記念友愛社(宮崎県)の児嶋草次郎理事長が筆跡などから直筆と断定した。

書簡について学ぶ会は、7月末ごろまで大宮学区内の福祉交流プラザ山南に展示。8月以降、資料館に寄贈する予定だ。東森貢会長(71)は「特徴である本物の豪快な筆跡から、十次の思いを感じ取ってほしい」と話す。

新たに見つかった石井十次の直筆書簡   山陽新聞社

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