みちこの幕末日記

   世に生を得るは事を成すにあり。

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久しぶりに「万年筆の旅 作家のノート II」吉村昭・著 を読んでいます。
吉村昭は徹底的に事実を掘り起こして、事実しか書かないので好きです。
事実を淡々と緻密に書いて積み上げて、私たちの胸に重量感ある感動を
与えてくれます。

「万年筆・・・」その中で、終戦後三・四年経った時にラジオで聞いた話が
書かれています。彰義隊の戦の小戦闘を目撃した老人の話、
老人はその頃商家の小僧で、上野の山から広小路に下ったあたりで、
討幕軍と彰義隊が両方から走ってくるのに気づき、大きな水桶の
影に身をひそめた。両軍とも三十名ほどで、抜刀して向かい合ったが、
互いに十間(約18メートル)以上も離れたまま「やあ、やあ」と
声を掛け合っているだけだったという。

「活動写真にあるような威勢の良い斬り合いとは、まるっきり
ちがいましてね」と言った老人の言葉もはっきり覚えている。
やがて両方が接近し、彰義隊側にけが人が出ると、その血に
興奮したらしく彰義隊が狂ったように斬り込み討幕軍を
追い散らしたという。この水桶の陰で身を震わせていたという
老人の思い出話には、実感として強く感じた。

読んでいる私にも、こういう体験者の生々しい話は、小説や学術史
とは違い、自分自身が体験したような感情移入ができました。

さて、今晩の「その時、歴史が・・」日本に新聞が生まれた日
   ~幕末維新・ジョセフ彦の挑戦~、
吉村昭も「アメリカ彦蔵」でジョセフ彦を書いています。
この本も良かったですね。

では、また。

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