みちこの幕末日記

   世に生を得るは事を成すにあり。

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司馬遼太郎、没後10年で、いろいろと新刊も出ています。
今日は、その一冊で少し前のものですが・・。

「司馬遼太郎という人」 和田宏 文春新書 720円+税

「竜馬がゆく」の登場人物は、1149人にのぼるという。

「おりょうが竜馬のために菊の枕を作ったなんて、ぼくの作り話だぞ」
この場面はおりょうの性格を浮き立たせてみごとである。しかし、
これは創作で事実ではない。こういう仕掛けはこの作家に山ほどある。
大衆演劇の某作家が、なんとこの菊の枕の話を使ったという。それを
司馬さんが怒った。自分の創作を断り無く使われて腹を立てたのではなく、
こういうことを無神経に繰り返していると、いつの間にか
それが史実として扱われるようになるのを恐れたのだ。
司馬さん自身、史料調べをしていて、そのような『史実」にしょっちゅう
出くわし、当惑していた。独自の歴史観の方は、盗用されても
怒ったのは見たことがない。「また、ぼくの話を使っているよ」と
苦笑する場面もたびたびあった。司馬さんの創作を史実と
間違えた人が大勢いるに違いない。「竜馬がゆく」は、
あくまで司馬遼太郎の「坂本竜馬」であって、伝記ではない。

「竜馬がゆく」の連載を開始して、ちょうど一年経った時、
突如「閑話休題」と称して、時代背景の解説を入れる。このとき、
作家の中で何かが弾けた。いままでとは異質の大作家司馬遼太郎
の誕生の瞬間であった。

以上、特に印象に残った箇所でした。中身の濃いい一冊です。
是非、お読み下さい。

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